貴金属の金

金の元素記号はみなさん理科の授業で習ったとおりAuです。

100gインゴット

手に入れたいと思う貴金属をひとつだけ挙げても良いのならほとんどの人がまっさきに金を指名するのではないでしょうか。古来から人類に愛されてきたゴールドは今もかわらぬ人気で、買取金額も高額で安定しておりその存在は子供でも知らぬものなしの知名度を誇ります。昔から自然界にもあったため早いうちから人間にも利用されてきたこの金属は、なんというかとても柔軟で安定した性質を持っています。火炎の中でも燃えたり酸化することもなく、水中でも錆びることはありません。塩酸と硝酸の混合液である王水でなければ溶かすことができず、たいていの環境ならどんな苛酷な場所でも輝きを放ったまま身じろぎひとつしません。金としてあるべき姿を維持したまままばゆい光を放ち続けるその勇士は、所有する者の目を惹きつけてうっとりとさせる効果もあります。そんな安定性に優れた金は柔軟性・展延性もずば抜けています。金箔という形で目にすることも多い金ですが、この金箔を作るのにどれほどの質量が必要なのか考えたことはあるでしょうか。なんと1辺1メートルの正方形の金箔を製造するのに約2グラムの金があればいいそうで、比重の重い金属2グラムでそれだけの面積に延ばせるのはにわかに信じがたい話ですがウソではありません。紙でもそれだけの面積だと2グラム以上になりそうなものですが、金はとても薄く延ばすことができる材質なのでこのような芸当ができるのでしょう。どれだけ薄いかというと0.1ミクロンで、ちょっと想像できない厚みなのでピンとこないかもしれませんが、目の前にかざすと透けて見える金属といえば理解も可能になるでしょうか。そんな安定しているけど加工もしやすい、重要感もたっぷりの金がジュエリーに用いられるようになったのも当然の流れでしょう。ジュエリーに使用される金には純金と合成金があります。純金の方が価値も高そうに感じますし、合成金が使われる理由は安いからと思ってしまいそうですが実はちゃんとした理由、合成金のメリットもあります。昔の装飾品、ジュエリーには純金製の品が多かったのですが、柔らかい金属であるために変形したり表面をぶつけると凹んでしまうこともありました。指輪ですと宝石を留める爪の部分が曲がってポロリと外れてしまうこともあり、長時間の使用には問題があるジュエリーも見受けられたのです。いくら純金の輝きが好きでも金の特性である柔らかさには困っている人もおり、それを解決するために合成金の使用が主流になってきたようで。合成の比率を表わす言葉に18K、24Kというのがありますが、これは24Kが100%金のみの純金で、18Kだと4分の3が金という意味になります。金製品に刻印されているK18などの文字も同じ意味で、重さの割合でどれだけ金が含まれているかを示しています。使い慣れない人や強欲な人は24Kに憧れて18Kを軽く見るかもしれませんが、24Kのジュエリーは圧力をかけると簡単に変形してしまうことを知っている人なら18Kのジュエリーを好むかもしれません。質屋で鑑定してもらう場合も、力を加えてどれだけ変形するかによって純金かどうかを判断することもあるほどに柔らかく、細かく丁寧な装飾をされている純金製品はデリケートに取り扱わないとすぐに曲がってしまうのです。ただし熱や陽射しで変色することはありませんし、海水浴をしても錆びる心配はないのでやはり使いどころということになるでしょう。買取してもらうのなら同じ重量なら当然24Kの方が高額になりますが、18Kでも充分お小遣いにはなるので不要なアクセサリー・ジュエリーがタンスに眠っているのなら換金して新品の何かを買ってもいいのではないでしょうか。